【訃報】笹木弘先生

 東京海洋大学名誉教授の笹木弘生が、去る6月22日老衰で逝去されました。享年99歳。
 氏は高知県四万十市の貧しい農家の次男として出生。昭和19年に東京高等商船機関科を卒業し日本郵船入社。同時に海軍に応召され駆逐艦春月、戦後は復員船、郵船の社船に乗船。昭和25年に新制東京商船大学の助手となり、船員の人間性阻害回復論の第一人者として「船員政策」の教科を新設した小門和之助教授の門下で船員政策を引き継ぐ。
 小門理論を更に発展させ、資本主義経済下の船員労働の特殊性論・船員解放論を展開。「笹木ゼミ」では中西昭士郎元海員組合長を始め数多くの船員活動家が育った。
 船主協会の船舶士構想・海員組合のスパイラル構想など航機両用化の動きに反対し専門分化構想を提唱、長年関東船地労委の公益委員等を務めるなど常に船員と共にあった。退官後も戦没船を記録する会の発足、近年は船員の人権を守る会の設立を願い、多額のカンパを提供し、自ら会員になり顧問を務めた。
 本誌8、9号の「海風気風7」でインタビュー記事を掲載。ホームページで読むことができる。著書に船員政策と海員組合(成山堂)、海員組合の組織と団体交渉(日本評論社)、海員争議と海員組合(労働旬報社)、技術革新と船員労働(成山堂)、海に生きる(出版会「海に生きる」)など。    (合掌)


2022年度会計報告
  (2022.10.1~2023.9.3
0)
科 目金額(円)
 収入の部(単年度)
会  費 (29名)100,000 
カンパ (34名)121,000
郵送実費(8名) 18,500
郵貯利子      6
小 計239,506
支出の部(単年度)
会報用紙代 73,920
会報印刷費 31,070
通信郵送費144,186
会議費 10,500
事務用品費 26,197
振替手数料  6,897
小 計292,770
総 収 支
単年度収支-53,264
前年度繰越818,652
総 計765,388
次年度繰越765,388

編 集 後 記
◯6億円横領。被害者の組合が動こうとしない理由、それは犯罪の片棒を担いでいるからだろう。この罪こそ重い。労働組合として社会的に庇護された立場にありながら、指弾されると逃げる。我欲しかない。今の地位、権力をもてあそぶ堕落、腐敗を永続させたいのだ。(L)
○「非居住組合員にきちんと権利を与えなければ、組合が大泥棒にされてしまう」。中西元組合長の遺言である。羅針盤20号・追悼文から。(I)
○前組合長に組織の金の横領と業者のリベートで総額6億円。世間の常識なら役員は「不祥事を見抜けず申し訳ない。我々は無関係。外部の力も借りて徹底的に調査解明する。」と保身を図るところだ。しかし、現中執は何も言わずダンマリで保身を図る。世間の常識とは違う。(J)
○海員組合前組合長の業務上横領事件、ここまで腐ったか、の感あり。一片の正義感もない。労働運動とは無縁の存在だ。現場代表による非居住特別組合員を含んだ新たな執行体制の構築に期待したい。(Y)
○広島市では「はだしのゲン」に加え第五福竜丸も教科書から消される。「私が初めて被曝というものを知ったのが第五福竜丸」と懸念を表明する吉永小百合さん。原爆の語り部活動の大切さを胸に刻んでいる。本誌は、編集、印刷、発送すべて手作り、読者の自由な投稿とカンパで支えられている草の根活動です。皆さんの積極的な参加を期待します。(T)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
羅針盤 第41号  2023年11月10日発行
発行責任者: 羅針盤を発行する会 竹中正陽(たけなかまさはる)
連絡先住所: 千葉県市川市国府台1の9の42 竹中方
〒272-0827、電話・FAX 047・375・0789
メールアドレス: rashinban7@gmail.com
郵貯振替口座 : 00130-6-322259
郵貯口座:店番058-普通5091919
◇会費:年3000円(本誌郵送含む)。本誌の郵送のみ希望される方は1回につき実費としてカンパ500円(切手可)をお願いします。