組合員 竹中正陽(まさはる)

5.組合への質問状
 報道が出た後、私は一組合員として、質問状を6月30日付けで組合中央執行委員会宛に送った。返事がないので7月中旬に催促状を送り、7月末日までの回答を求めた(いずれも配達証明)。しかし何の音沙汰もないのでこの場を借りて公表する。
 一組合員の質問にわざわざ答える必要はないとの考えかも知れないが、全組合員に対しては、機関紙や大会等のしかるべき場で、ことの全容を明らかにするよう希望する。
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「森田前組合長が6億円流用」報道についての質問


2023年6月30日
組合員 竹中正陽

 上記ニュースが、さる6月20日のNHKテレビを始め、新聞各紙で大々的に報道された。報道が事実とすれば、本組合の非居住特別組合員に多大な損害を与えた一大不祥事である。
 外国人船員用の基金は、本組合ら船員組合側と、国際船員労務協会など船主団体側との共同交渉(IBF交渉)で、モデル船一隻当たりの総支払額(TCC=トータルクルーコスト)が協定され、そのうち一定の額が各基金に振り分けられる。従って、原資は船会社の労務費であり、教育・研修、港の宿泊施設建設、退職金等、多種にわたる基金は、外国人船員にとって福利厚生のカナメとなっている。船内で共に労働・生活する日本人船員にとっても無視できないものである。
 基金は本組合と国際船員労務協会とで作った管理委員会で用途・支出額が決められ、JSS全日本海員福祉センターを通じて支出される。毎年会計報告、監査報告等が行われていることが活動報告書にも記載されている。
 従って、本問題は単に森田前組合長個人の責任にとどまらず、他の役員、しいては本組合全体の問題であり、組織の信頼性を左右する大問題である。
 私は、一組合員としてことの真偽を確かめたく、以下質問するので、すみやかに回答下さるようお願いします。また、詳細を日本人組合員、外国人組合員の全員に機関紙等で公表し、大会等で説明して、組合員の承認を得るようお願いします。

Q1.報道記事の真否
 前組合長が外国人用の基金等から6億円を流用したという報道内容は事実か?
事実とすれば、非居住特別組合員に多大な損害を与え、かつ、本組合の信頼性を著しく傷つけると思われるが、組合の見解はどうか?
 また、事実でないとすれば、報道各社に謝罪と訂正を求めるべきと思うが、どうか?


Q2.告訴・告発の意思
 記事が事実であれば、背任・横領の類であり、脱税にとどまらず刑事事件に該当する。刑事事件として告訴もしくは告発すべきと思うが、その意思はあるか?


Q3.第三者委員会による調査
 詳細を明らかにするため、本組合と一切関係のない中立公正な税理士、弁護士、学者等で第三者委員会を設け、詳細な調査を行ってしかるべきと思われるが、その意思はあるか?


Q4.統制委員会の開催、森田前組合長の退職の有無と退職金
 記事が事実であれば、非居住特別組合員に多大な損害を与え、かつ、組合の名誉を著しく傷つけたことで、組合規約第107条統制処分の対象となることは明らかである。
 この件に関し、統制委員会は開かれたのか? また、今後開く意思はあるか?
 また、森田前組合長は退職したのか? その際、退職金は支払われたのか?


Q5.国税局の調査
国税局は前組合長が辞任した2021年11月の定期全国大会以前に、六本木の組合本部およびJSS全日本海員福祉センターに調査に入ったと言われているが、調査に入った月日はいつか? また、調査の内容、調査に対応した組合関係者は誰か?


Q6.追徴課税額と税の納入
 何の税金に、幾ら追徴課税されたのか? また、税の納入に際し、組合もしくは組合が関係する団体や基金のお金が使われたのか?


Q7.流用した基金の種類と額、業者から受け取ったリベートの額
 近年フィリピンで数多くの船員用施設が建設されている。前組合長は、フィリピンのどの施設の建設に際し、幾らリベートを受け取ったのか?また、どの基金から幾ら流用したのか?


Q8.基金の管理・運用の実態、金銭の流れ
 活動報告書によれば、国際船員労務協会との間で、各基金の管理委員会が年1回開かれ、各基金の用途ごとの支出、会計報告、監査報告等が行われているようである。管理委員会の構成メンバー、各基金の用途、支出する額の決定方法、支出に至る具体的な金銭の流れを明らかにされたい。


Q9.各基金の年間収支、総残高
 各基金の年間収支、総残高は幾らか? また、組合員に対して各基金の会計報告が行われてしかるべきと思うが、その意思はあるか?


Q10.管理委員会での論議
 今回の「6億円流用」に関し、国際船員労務協会との間の管理委員会で、いつ、どのような報告と論議が行われ、どのような改善策が講じられたのか?
以上、質問致しますので、すみやかに回答下さるようお願い申し上げます。
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(続く)