働く人々にとって受難の時代を迎え、海上で働く者はより大きな波に飲み込まれようとしている。
 遠洋・沖合漁業の廃業や減船、沿海・内航の倒産、劣悪な労働環境、長時間労働、外航では日本人船員の乗らない船舶が急増し、海と船員を取り巻く社会そのものが崩壊の危機に向かっている。
 こうしたなかで海員組合は、現場船員から遠ざかり、海上労働運動の原点を見失っているのではないかと危惧する。現状を憂え、船員社会の再生を願う仲間は全国に散在しているが、互いに語り合う場は少ない。
 船員社会の再生と海上労働運動の復権を願い、ここに「羅針盤」を発刊する。
 情報を交換し、思想、信条の違いを超えて自由に意見を闘わせ、共に考える場としたい。
 海上で働く人々が、荒波を乗り切るための一助になれば幸いである。
 現場船員や海事関係で働く方々の積極的な投稿をお願いする。

2009年11月1日
羅針盤を発行する会