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羅針盤HP(seamn@boy.jp)に寄せられたコメントを掲載します。

○20代機関士、匿名さん 4・7
オペは余裕のある配船を 

船種:5000KL積みタンカー、職種:機関士。今の会社に新卒で入社して4年になります。同期もいましたが、殆ど辞めていきました。毎年新卒をとっても辞める人の方が多いので交代も回ってきません。司厨部以外は半年以上の乗船がザラです。3ヶ月〜4ヶ月で降りれたこともありましたが、遠い昔のように感じます(笑)。
会社も人を探すのに必死ですが、募集を出しても人が集まりません。やっぱりタンカーは忙しいですし、人気無いんだと感じるこの頃です。うちの会社は乗組員に癖のある人が少ない点と全船司厨長が乗ってる点だけが救いです。
上司も良い人が多く、おかげさまで大分仕事も分かってきたと思います。 折角入ってきた人が辞めて行く原因は、この業界全体にあると思います。学生時代にタンカーは夜荷役しないって聞いてましたが、実際入社したらそんなことありません。黒船は夜荷役普通にありますし、白船でも夜着桟OKの場所で荷役・朝沖出し、ガスフリーして昼過ぎ着桟とかもあります。夜着けて流速遅く時間のかかるバースとか特に最低です。
働き方改革が世間では叫ばれてるのに、高くない給料でそこまでして油を運ばないといけないのかと思ってしまいます。それが続くと睡眠時間も少なくなりますし、ましてや毎日荷役、船が大きいので仮バースも無い、長期乗船なら辞めても仕方ないなと思います。
こんなのが続くなら毎日帰れる船や乗船スパンが短い船を探しますし、辞めていく人を責められないです。 AIS等見れば分かりますが、同じファンネルマークの白船でも、定期的に休んでゆとりがある船もあれば、そうで無い船もあります。オペレーターには少し余裕のある均等な配船をして貰いたいものです。


○老機関長さん 4・15
5000キロ機関士さんへ

 499の黒油タンカーです。私はタンカーは999(2400キロ積み)以下しか経験がないので
本船の5000キロ経験者に話を聞きました。結果は、ピストン輸送、長い荷役、仮バース無し、オペの細かいルール指示、(それに船内の人間関係、古株の存在等もからんで)若い人は(年寄りも)次々と辞めて行く。5000キロ機関士さんの言う通りでした。
 以下は大手T社の下のK汽船から来た人たちに、機関士さんの投稿を見せた時の話。
『俺らの乗っていた船も全く同じ。ただ、この人は大手オペの人じゃないかな。大手は給料が良い
し退職金や年金が下請けと全然違うから中々辞めて行かないけど、下請けや個人会社で5か月も6か月も乗せられれば皆辞めて行く。K汽船も人が足りなくて困
っているけど、派遣を雇ってでも2か月乗船・20日休暇はきっちり守る。そうしないと人がドンドン辞めて行ってしまうから、それだけはしっかりしている。その代わり「休暇中に休めるから乗船中は休みなしが当たり前」が会社の態度。だから仮バースは2か月の乗船中に一度あれば良い方、乗船中一度もない時もある。
 数年前にT社は一斉に下請けの用船料を下げたけど、K汽船は「用船料を下げないで欲しい。その代わりどんなに忙しくても構わない」と頼んだので同じ5000キロでも超忙しくて大変。東燃堺なんか揚荷流速350キロだから荷役に14時間も掛かる。下津も遅いので堺と下津の往復にはめ込まれたら最悪。どちらも夜荷役有りだから、出入港、荷役、航海当直の連続、荷役中、甲板部は3時間ずつの2交代。小間切れ労働もいいところで、寝れたもんじゃない。二度と乗りたくない。』
 ちなみにK汽船では海上技術学校卒は来てくれず、水高卒も少ないので、辞める人間が出るのは
織り込み済みで、一般社会人(船乗り学校出ではない)や自衛隊からとにかく人を集めてくる。
 定員は航海士4、甲板部員4、機関士3、コック1=12+α
(見習い1人か2人)で、見習いは履歴が付けば免状取って部員か機関士に昇格。でもその頃にはかなり辞めているとのこと。航海士や機関士は航海中も荷役中も0~4、4~8、8~0の当直時間が原則守られるけど、甲板部員は2交代の荷役ワッチなので、小間切れ度がハンパないそうです。互いに助け合う習慣はほとんどなく、われ関せずの人間関係がほとんどで、上司に恵まれている分だけ5000キロ機関士さんの所はまだ救われているかも知れません。
では、問題はどうしたら改善できるのか。
 K汽船は原則、一つの船に固定乗船で、船長だけが数隻の船を持ち回り。ある若手の船長が乗ってくると乗組員は皆なホッとするそうです。
会社やオペの顔色ばかり窺う人が多い中、その船長(だけ?)は、乗組員が疲れている時はオペの営業に遠慮なく仮バースを要求する。シケの時は無理に航海しない。若いのに腹が据わっているそうです。
やはり、まずは船長を通じて船内の要望をオペに伝えるのが一番ではないでしょうか。船長にも色々な人がいますが‥。


○元船長さん 4・19
老機関長さんへ
 簡単に言わないで下さい。そりゃあ、船長を通じてオペの営業に言って、営業が話を聞いてくれればそれに越したことはないでしょう。そうは言っても、船長に言うのが難しいから困っているのでは? 知らんふりの船長もいれば、船長など無視して会社に圧力をかけるオペもいる。それが実態ではないでしょうか。


○老機関長さん 5・11
船長がダメなら組合へ

「船長に言うのが難しい」「何を言っても無駄」? 確かに、私の実感からも、それがほとんどの船の現実と思います。しかし、何事も言わなければ始まらないのも事実です。5000キロ機関士さんの所が組合に加入していれば、組合に訴えて改善する道があります。困っている時のために労働組合があるので、本来はそれが本筋でしょう。
 しかし、組合を動かすにしても、それが船内の切実な声になっていなければ、うまく行かないのは目に見えています。個人で訴えても組合は中々動かないし、会社が知れば犯人捜しが始まるだけです。
まずは、船内で同じ気持ちの何人かが、グチでも良いから次々と言い出せば、分かってくれる船長や、渋々にしろ動かざるを得なくなる船長も出てくるはずです。それでも駄目なら集団で組合に持って行くことを考えるのが良いと思います(その場合は作戦を練る必要がある)。
 船長からオペに言ってもらうにしろ、組合を動かすにしろ、結局は、同じ気持ちを持っている仲間の乗組員との共同作業の追求。そこからしか始まらないと思います。


○通りすがりさん 5・28
船員労務官に言ってはどう
運輸局の船員労務官(今の正式な肩書は運航労務監理官というらしいけど)に言いつける手もあるよ。その方が手っ取り早いのでは。


傍観者さん 6・6
全国の運輸局に180名

 船員労務官(仕事上の名称で正式な肩書は運航労務監理官):
H17年の法改正で、一人の人間が会社の運航管理体制を監査する運航監理官と船員労務官の両方を兼務することになり、運航労務監理官という肩書になった。従って今は「運航労務監理官が船員労務官としての仕事をしている」という解釈が正しいそうな。全国の運輸局に約180名。もちろん運輸局に電話して「船員労務官お願いします」で通じる。
 「運航監理官と船員労務官の統合により、事業法(海上運送法及び内航海運業法)と船員関係法(船員法、船員職業安定法、船舶職員及び小型船舶操縦者法)に関する監督権限を幅広く有する執行官による効率的かつ効果的な監査が可能となりました。」(国交省ホームページ)とか(笑)。
 一人の人間が何もかもやるようになり、かえって広く浅くになっていたりして(汗)。


○通りすがりさん 6・11
会社に知られる覚悟を!

 言い忘れたけど船員労務官は船員法違反がないとまずやってくれない。それと、○○海運△△丸の××士の誰べえと、ちゃんと名乗らないとだめ。
 もちろん会社に知れることになる。そこんとこ覚悟してやってね。


○老機関長さん 6・25
乗組員の団結が何より大事

 通りすがりさんも言うように労務官は陸の労基署と同じで法律違反がないとやってくれないし、名前も会社に知れる。匿名の場合は「申告」ではなく、単なる情報提供として扱われる。情報提供が多ければ労務官が動くこともあるらしいが、私は聞いたことがない。
なので大抵の人は、退職後に労務官の所に行って未払い賃金を払わせたりしている。もちろん名前を言って正式に申立てることが前提だ。
 何より労務官制度の欠点は、過去の法律違反を是正するもので、将来の保証はない。船員にとって船は職場であり住み家。将来にわたって住み良い船にするためには、乗組員が一致団結して声を上げるに限る。そうすれば組合や労務官を活用することもできるし、陸の地域労組に入るなど、色々な手が考えられる。
やはり船内で話し合って、まずは船長や会社、オペレーターに要望を出すことが一番。何事もそれなしには始まらない。辞めて別の会社、別の船に移るのは最後の手段にとって置こう。そうしないと、いつまで経っても状況は変わらないのでは。