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〇カーゴホース作業を陸上化? 国がガイドラインを改訂
今頃何を言ってるのさ!
(499トン、一航士)
今頃になって、国はタンカーの荷役ホース取り付けを陸側の作業にしてはどうかと言い出した。船員不足で船が止まってしまうのが心配だそうだ。
「改善案を出して欲しい」と言うから、こっちは、もう何十年も前から言っているのに、荷主もオペも知らん顔。国も見て見ぬ振りしておいて今更何を言っているのか、と言いたい(怒)。しかも「船員不足解消に有効です」と言うだけで、単なるガイドラインで実際に義務付けようとしない。
ローディングアーム作業なら岸壁に飛び移らないで済むからまだ良い。船のホースとレデューサーを使う時は3人が岸壁に移り、残った人数でユニックを使ってホースとレデューサーを吊って岸壁に繰り出してボルト締めする。これがどんなに危ない作業なのか分かっていない。
だから今までずっとやらせてきたんだろう。それとも分かった上で、船員は大人しく何でも聞くからやらせちまえってとこか。本来なら荷役手当が出るはずなのに、それもナシだ(怒、怒)。
船と岸壁には20~30センチのすき間はあるし、高低差がある時はハシゴを使って這い上がる。雨の日は滑りやすいし、カッパを着ているから大変だ。海にドボンしかねない。一日に積み・揚げ・積みでもさせられた時は涙が出るわ。60歳をとうに過ぎたジイさん達がやっとこさ飛び移って行くのを見て、若い人が辞めていくのも当り前サ(笑い)。
バンカーの揚荷はもっと大変だ。ホース接続のため最低2名が本船側にジャコブで昇降。20万トンクラスだとホースを3本繋いでユニックで繰り出すので残りの3名で甲板上は大わらわ。これが雨の日だと泣けてくるわ。
そもそも陸側に移管と言っても、何処の製油所も作業員の人手が足りない。2人いればまだ良い方で、定年後に再雇用された人が一人で我々の作業を見ているだけの所もある。工場に揚げ荷する時は、最初と最後だけ見に来て途中はいなくなってしまう所も多い。何処も経費節減で大変なので、荷主サイドがやるわけないサ。すべては金の問題よ。
「鋼材船のダンネージ片付けも陸側に」と言うけど同じことよ。製品の荷役は昼夜の区別ナシで、荷役が終わればすぐ追い出される。出港したら航海当直だから少しでも寝ておきたいし、買い物にも行きたいのに、荷役の進行具合を見計らって、陸側作業員の休憩時を狙って全員でホールドに降りて片付け掃除。パレットやダンネージ板の切れはしをフォークリフトや手作業で集めて保管場所に移し、屑はほうきで掃く。頭上でクレーンが動くすき間を縫って作業する時もある。
陸側の作業員も小人数で休みたいに決まっているから、やるわけないサ。今更遅いわな。
(60歳台)
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※資料
国交省「内航海運業者と荷主との連携強化のためのガイドライン」抜粋
国交省は船員不足対策として、「荷主と内航海運との安定・効率輸送協議会」の合意を基に、ガイドラインを一部改定した。但し、いずれも「望ましい」「こうすれば有効」というもので実効性は定かでない。概要は次の通り。
〇望ましい取引行為の在り方
①運賃・用船料は原価計算に基づく見積書を用いて協議し、コスト(内訳となる費用項目)の見える化を図る。客観的なデータも活用することで円滑な協議を可能とする。
②原価計算に基づく運賃・用船料の改定は燃料費等の価格変動を踏まえ、荷主とオペレーター、オペレーターとオーナー間でタイムリーに協議し、公平な負担を図る。
③契約内容はできるだけ具体的に取り決め明確化する。これにより取引条件を巡る解釈の違いや支払に関するトラブルを未然に防ぐことができる。
④運賃・用船料の契約書は支払期日・支払方法などを明確にすることが望ましい。
〇安定的な内航輸送の確保に向けた課題
①陸側での荷役作業の実施
船員の労働環境改善に向け、タンカーやセメント船のレデューサーのマニホールドへの装着やカーゴホース・ローディングアームの着脱作業、鋼材船のダンネージの片付けは陸側で行う。
②ケミカルタンカーの封印作業を廃止する他、自動荷役システムを導入し、船員の荷役作業の負担を軽減する。
〇運航管理の改善
①クラウドベースの運航管理システムを導入し、輸送計画の受領から配船・配乗・燃料管理までを一元管理する。
②オンライン貨物予約システムを導入し、予約受付から変更管理までをオンラインで一元管理する。
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