【訃報】河内山典隆さん
内航海運新聞の元記者河内山典隆(こうちやま・つねたか)さんが、昨年12月5日、散歩中に倒れてそのまま亡くなられた。享年96歳。
氏は1928年生まれ。旧制山口高校を中退、明治大学文学部仏文科を卒業して雑誌記者の道に。1965年から海運業界紙に入り、以後1972年の92日ストまで連続する海員争議を執筆。船員と海員組合を取材する記者の第一人者となった。
1975年以降はフリーの記者として、主に内航海運新聞を拠り所に近年に至るまで一貫して海運・船員関係記事を書き続けて来た。晩年は国の内航海運・船員政策を批判する執筆に取り組んだが未完に終わった。
1988年に出版した「日本海員風雲録(東陽書房)」は海員組合の役員だけでなく、船舶部員協会を始めとする現場組合員を丁寧に取材。海員争議を実際に担った活動家群像を描写し、同年の日本労働ペンクラブ賞を受賞した。
2000年代に始まった海員組合役員間の争い、数々の裁判等に関わった執行部員・現場組合員を取材して続編を書くよう勧めたが、「今の海員組合は論じる価値がない」と断られてしまった。
他に「満州残像(海文堂)」、「その時、船員はどうする(文芸社)」、「吾輩はクンクンである(東洋出版)」。共著に「聞き書き・海上の人生」「荒れる海・船員問題を考える」など。
海員史話会、戦没船を記録する会会員。戦没船を記録する会の当初からの会員・理事として「戦没船を記録する会10年史」の執筆、「DVD海なお深く」の脚本執筆に加わった。
内航海運政策の勉強会の講師を引き受けて下さったが、コロナ下で果たせなかった。羅針盤を発行する会の設立当初からの会員だった。合掌
(編集部、竹中)
編集後記
○西独のワイツゼッカー大統領が、幸福40年にあたる1985年5月8日に連邦議会で行った名演説「過去に目を閉ざすものは、現在にも盲目になる」・過去の過ちを反省し、未来に繰り返さないために歴史を忘れてはならないと述べている。海員組合はどうか。森田前組合長のネコババに目を閉ざしたままだ。これで次の時代をのうのうと生きるのか(L)
○トランプ政権の暴走が止まらない。関税問題もさることながら、国防長官は「西太平洋で有事の際、日本が最前線に立つことになる」という。先島諸島では有事の際の避難訓練が計画されている。戦争前夜の様相だ。米国の言いなりになる政府では、日本の平和は守れない(Y)
○船の航行と安全は、適切な法令が制定され、その法令を積極的に遵守する会社と船員がいて、法令をしっかりと適切に施行する行政から成り立っている。と、改めて思います。(J)
○韓国南西部の珍島沖で旅客船「セウォル号」が沈没し304名が死亡・行方不明となった事故から11年。例年4月16日前後に名古屋の鶴舞公園で追悼忌が営まれる。集会での合唱曲は、「忘れません」「真実は沈没しない」「約束するよ」、この3曲である。(I)
○船長との面談・書類チェックだけで帰る船員労務官。けっして乗組員の意見を聞こうとしない。掛け声むなし、船員の働き方改革。(T)
羅針盤 第45号 2025年5月10日発行
発行責任者: 羅針盤を発行する会 竹中正陽(たけなかまさはる)
連絡先住所: 千葉県市川市国府台1の9の42 竹中方
〒272-0827、電話・FAX 047・375・0789
メールアドレス: rashinban7@gmail.com
ホームページ : https://seamen.boy.jp
郵貯振替口座 : 00130-6-322259
郵貯口座 :店番058-普通5091919
◇会費:年3000円(本誌郵送含む)。
本誌の郵送のみ希望される方は1回につき実費としてカンパ500円(切手可)をお願いします。